あまりかぜです。
大統領選真っ只中によく公開したな、と思う映画を観てきました。
感想は基本的にネタバレです。
☆: 是非とも劇場へ。傑作
◎: できれば大画面で
◯: 映画ファンなら見る価値あり
△: 無理して見なくてもヨシ
■感想
IMAXで観る必要はあまりないと思います。
ネットの評価を見るとは賛否両論ですが、どちらの意見もあり、という気がします。
”Civil War”は、ストレートに国民同士の戦いってことですね。つまり内戦、そこから転じて南北戦争も意味します。
銃を持っている者は相手を殺してもいいという感覚は平和ボケの日本人からすれば、かなり理解しがたいものです。だから、「なんて醜い映画だ」、「何を言いたいのかわからん」という評があるのは無理はありません。
一方、今まさに起こっていることをアメリカで再現しただけと捉えると、紛れもないリアルな世界の現実を描いています。いくらニュースを見たところで、決して判らない。地震の惨状と似ている気もします。単なる映像ではなく、映画なら多少でも共感できると。
とはいえ戦いが終わったことで、結局、醜い出来事は埋もれていくに違いありません。
殺されるに違いない大統領にインタビューする意味を問われた主人公リーの「記録に残すため」と言う答えは印象的です。ジャーナリズムの本質はただ記録することだと信じるリー。その思いは若者たちに引き継がれていくのがわかるラストシーンでした。
セットはロケをしたのかと思わせるぐらい見事な出来だし、相当金がかかっているんだと思います。ホワイトハウス前での戦いは見どころです。ただ、音楽にはかなり疎いので、挿入される歌のセンスがいいのか悪いのか、判断できませんでした。
『スパイダーマン』のヒロイン、キルスティン・ダンストも40歳オーバー。貫禄ある演技を見せてくれます。相方の若者にケイリー・スピーニー。見た目幼すぎますがほぼ実年齢だそうです。頑張っていても、ダンストや他のベテラン俳優陣の前ではやや霞んでしまっています。
↓アレックス・ガーランド監督の秀作です